葬儀の通夜料理の注文量で助けられた

葬儀は十分な経験を積む機会が少ないので、多くの人が手探りで進めていくと言われています。

喪主を務めるのも葬儀に慣れた人ではなく、亡くなられた人に最も近しい関係者です。
葬儀に関する知識が足りない喪主だと、死者を辱めてしまう結果に至ってしまう事もあり得ます。

だから葬儀に関する相談役や全体の流れを取り仕切る葬儀屋さんが重宝されているのです。
私は喪主を務めた事がありません。
しかし葬儀屋さんに助けられた事があります。

それは私の義理の父が亡くなった時の事でした。
喪主は長男だった夫が務める事になりましたが、私が喪主を支えるサポート役として選ばれました。

喪主として忙しかった夫に代わって、細かい事を取り決める役目を持つ人材が必要だったからです。
本来であれば義理の姉が務めるべき事ですが、耳が不自由だったためやり取りがスムーズに進まないという判断で私に話が回ってきました。

夫が訪問客の応対に務めている間、私は葬儀の全体の流れを見て、必要な事を取り決めていったのです。
調べながらでしたが大半の事は滞りなく進める事が出来ました。

しかし一点だけ酷く悩まされた場面がありました。
それはお通夜の時に準備しておく料理です。

お通夜の料理はお手伝いさんや主な関係者だけの分を用意すればいいわけではありません。
一時的にやって来た訪問客に対しても振舞う必要があります。急いで夫に相談しましたが、彼にも訪問客の数は予測出来ないとの事でした。

途方に暮れた私を助けてくれたのが葬儀屋さんです。
準備すべき通夜料理の適正数を算出してくれました。
そのおかげで凍りついていた時間が動き出しました。
背中を押してくれる存在がいたおかげで、私が役目を全う出来た事は間違いありません。